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イソトレチノイン(アクネレント)の取り扱いを始めました!2024.12.13

神谷ひふ科では難治性・重症ニキビ治療の内服薬であるイソトレチノインを導入いたしました。

 

イソトレチノインとはビタミンAの1種でニキビに対する様々な作用があり、皮脂腺の縮小、毛穴詰まり改善、抗炎症効果が認められます。海外では、ニキビの治療ガイドラインで中等度~重症のニキビ治療に強く推奨されており、アメリカ・イギリスなどをはじめ多くの国で承認されています。

日本では厚生労働省未承認のため自費治療となります。

既存の保険治療で改善が認められない方、外用剤のアレルギーなどの理由で保険の治療薬が使えない方、ニキビの強いしこりや凹凸ができてしまう方に良い適応だと思います。

以前からイソトレチノインの効果が高いことは知っていたのですが、導入に踏み切れず迷っていました。

なぜならイソトレチノインには副作用も多数あるからです。

特に催奇形性に関して可能性が高いため、男女ともに内服中および内服終了後1~6か月は避妊を徹底していただく必要があります。

内服中、いかなる期間・容量であっても胎児に奇形を及ぼす可能性が高い薬剤です。

ニキビに悩み、積極的な治療を受けたいと望まれる方は20~30代の方が多いですが「絶対に妊娠してはいけない治療薬」を年齢の若い患者様に処方することに迷いがありました。

しかしその一方で、保険診療でどんなに手を尽くしても改善しない方も少数ながらいらっしゃり、治らずにこじれていくうちにニキビ跡となってしまうケースも見てきました。

イソトレチノインは薬剤としては高額ですが、その後のニキビ跡治療を考えると、難治なニキビを早く治して極力ニキビ跡にしないことの方が大切だと考えるようになりました。

 

当院は保険医療機関であり、長年ニキビ治療に携わっている皮膚科専門医の立場からみても、ニキビはまず保険診療で治すべきという考えは変わりません。

まずは当院で一定期間、標準的ニキビ治療を受けていただいている方に限り処方させていただきます。

 

【未承認医薬品等】
イソトレチノインは、日本国薬機法上の医療薬品として認証・承認を得ていない医薬品です。

【入手経路】
医師が個人輸入しています。
イソトレチノインの個人輸入についての厚生労働省の注意喚起はこちらをご確認ください。

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1b.html

【国内の承認医薬品の有無】
国内で同程度の効能・効果で承認されている国内承認医薬品薬剤はありません。

【諸外国における安全性に係る情報】
米国のFDA(食品医薬品局)など諸外国で承認されています。
胎児の催奇形性、鬱、精神病などの精神疾患の副作用も報告されています。

イソトレチノインの飲み方】

イソトレチノインの服用には、さまざまな注意点があります。

※イソトレチノインを飲むタイミング

1日1~2回、食後に服用してください。 一般的には20mgから服用を開始し、症状などを確認しながら投与量を調整します。イソトレチノインを飲む量や回数は、症状や体重などにあわせて調整しています。必ず医師の指示に従い、決められた用法・用量を守って服用してください。

※イソトレチノインを飲むときの注意点

(女性の場合)

妊娠している可能性がある場合は内服ができませんので、正常な生理の開始後、2~3日を過ぎてから服用を開始してください。

服用中~服用を終了して1か月までは決して妊娠しないようにしましょう。また期間中は献血をしないでください。

(男性の場合)

服用中~服用を終了して1か月までは決して妊娠させないようにしてください。また期間中は献血をしないでください。

 

※他の方に内服薬を譲り渡す行為は行わないようにしてください。

 

【治療の流れ】

内服薬の処方には、必ず医師の診察が必要となります。(初診料 ¥3,300 税込)
治療適応である方は、初回採血(¥5,500税込)により内服治療が可能かどうかを確認します。
1週間後に採血結果を確認し異常がなければ治療開始します。

1ヶ月後、内服後も肝障害などの副作用がないことを確認する必要があります。毎月1回受診し、必要時採血を行い、副作用がないか経過を観察していきます。
通常6ヶ月を1クールとして内服を終了します。

個人差はありますが、内服終了後3~5年ニキビができにくくなります。
気になるほどの再発がある場合は、1クールの治療終了後、最低でも2ヶ月間(できれば4ヶ月間)の休薬期間を取り、2クール目の治療を行うかどうかを検討します。

 

【イソトレチノインで起こり得る合併症】

多くの方に唇や肌の乾燥が生じます。

合併症が軽度のものであれば内服を継続することもありますが、つらい症状が続く場合は内服を中止していただきます。

・皮膚の乾燥(特に唇の荒れ、肌のかさつき)、敏感肌
・眼症状 (ドライアイ、眼瞼炎、結膜炎、視力障害)
・鼻出血 (鼻粘膜の乾燥)
・催奇形性
– 女性は必ず避妊する必要があります
– 内服中ならびに、内服終了後1ヶ月間
・肝酵素や脂質(中性脂肪、コレステロール)値の上昇
・頭痛
・関節痛・筋肉痛・骨痛
・光線過敏
・脱毛
・うつ症状の悪化(*イソトレチノインとの因果関係は不明)
・消化器症状(吐き気、下痢、嘔吐)
・息切れ、胸の圧迫感、過度の発汗
・高用量で用いた際に身長の伸びが止まる可能性があります

【価格】
10mg 440円 1か月分 13,200円
20mg 660円 1か月分 19,800円

※イソトレチノインの内服を開始する前には初診料3,300円がかかります。
また、事前に採血をさせていただきます。採血料は5,500円です。

 

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