赤あざのご相談が増えています。2015.11.13
当院には赤あざ用レーザー「V beam」での治療を行っております。
今どきの患者様のネット検索力は非常に高くHPで調べた患者様が遠方から来院されることも多く、あざ治療の重要性を感じております。
受診されるのは赤ちゃんから中学生までバラバラですが、お母様方とお話していていつも残念に思うのは、あざを気にして近医医療機関を受診しても
「いずれ消えるから放っておきなさい」
「お子さんの目印みたいなものだから治療の必要はないんじゃないの」と
言われて、その通りに放っておき治療のゴールデンタイム(生後1年まで)を逃してしまっている方が時々いらっしゃることです。
我々皮膚科医が「アザは早期受診が大切」だと啓もう活動を行い、他科の先生方の理解を得られると連携もスムーズに行えると思います。
V beamは設定が大変難しく、使いこなせるのに経験・知識を要する上級者向けのレーザーです。
置いてあるクリニックは限られていますので、赤アザでお悩みの方はHPをチェックして問い合わせてみてくださいね。
いちご状血管腫
いちご状血管腫は生後間もなく、生まれたての赤ちゃんにできることが多い血管腫です。生まれたときにできていることもあります。体中どこにでもできる可能性があります。
典型的な経過
典型的には、生後間もなく皮膚表面に赤い斑点ができ、やがて盛り上がり始めます。生後半年くらいまでの間に表面が光がかった「いちご状」とよばれる状態になりますが、その後は大きくなることなく、むしろ自然に色が落ちていくようになります。多くの場合、小学校低学年くらいまでの間に赤みがひいていきます。
完全に周囲の皮膚と見分けがつかないくらいきれいになおることもありますが、少し皮膚の質感に異常が残ったり(ざらざらした感じ)、赤みや茶色みが残ったりすることがあります。
代表的な治療方法
基本的には、経過観察のみでよくなる、とされますが、最近では早期から色素レーザー治療を行うことがあります。レーザー治療を行うことによって、より早期に赤みが消えることが期待されます。
非典型的な例
眼の周囲や、口の周囲などに大きな病変ができた場合には、より積極的な治療を行う必要がある場合があります。経過の中で、血管腫の中に潰瘍(きず)ができることがあります。血管腫の一部に消えない成分が含まれていて、のちに治療を要することもあります。
積極的な治療よりも経過観察が優先される病気ですが、いずれにせよ専門医師による経過観察が望ましいと考えられます。
● 毛細血管奇形(単純性血管腫)
毛細血管奇形(単純性血管腫)は、毛細血管レベルで血管に異常がある病態です。通常は、毛細血管レベルで血管が異常に増えているものを指します。
皮膚などの体の浅い部分にできると「赤あざ」となります。皮下脂肪や筋肉にできて、ふくらんだ「できもの」となり、形の異常となることもあります。
部位や大きさなどによって経過はさまざまですが、基本的にはゆっくりとした速さで病気が進んでいきます。(赤あざが濃くなったり、できものが大きくなったりしていきます。)治療としては、状況に応じてレーザー治療や、手術的な治療などが行われます。